「競輪選手って儲かるの?」
「何歳くらいまで現役ができるの?」
全国に43か所ある競輪場。さらに年間365日間毎日開催している競輪。そこで競走を行う競輪選手は、当然ながら選手数も多く、しかもレースに出られるチャンスが多いということは、賞金を稼ぐチャンスも多いということになります。そうなると気になるのが選手の数や年収でしょう。
この記事では競輪選手にスポットを当てて紹介。さらに現役人気選手の中から、競輪初心者の方にぜひ知っておいていただきたい選手を4人厳選してご紹介します。
競輪選手のことをより深く知れば、レースを観るときの見方も変わります。ぜひ選手に詳しくなり、さらにお気に入り選手を見つけましょう。
競輪選手の基本データ
まずは「競輪選手」という職業の基本データをご紹介しましょう。競輪選手はどこかのチームに所属したり、事務所に所属することはありません。基本的に全員が個人事業主であり、立派なプロスポーツ選手ということになります。
そんなプロスポーツ選手である競輪選手の人数や年収、どうやったらなれるのかなどを解説しておきましょう。
日本でもっとも多いプロスポーツ選手
競輪選手として登録されている人数は、日本全国、男女合わせて2,000人以上。日本でもっとも人気のあるプロ野球の場合、各球団が契約できる選手数の上限が70人と決められていますので、12球団で840人が上限。競輪選手の方が2倍以上多いということになります。
競輪は日本国内にあるプロスポーツの中で、もっとも選手数の多い競技といわれています。とはいえ、簡単に競輪選手になれるというわけではありません。
競輪学校を卒業してプロに
競輪選手としてレースに出走するには、国家資格である「競輪選手資格検定」を取得する必要があります。この資格試験は、誰でも受験自体は可能ですが、実質的に競輪養成所での研修を受けていないと合格できない試験であり、過去に養成所に通わずに資格を取得した選手はいません。
つまり、競輪選手になるには静岡県伊豆市(旧修善寺町)にある競輪選手養成所に入所する必要があります。
競輪の養成所は毎年5月に入所、3月に資格検定試験があるため、基本的に10ヶ月間講習を受けることになります。この10ヶ月間で資格検定試験に合格できなければ、改めて入学し、再び10か月の寮生活となります。
競輪選手資格検定試験に合格したら、全国各都道府県に設置されている選手会に加入することで競輪選手として認められ、レースに出ることができるようになります。
平均年収は1,000万円
競輪選手の気になる平均年収はおよそ1,000万円。ただしこれはあくまでも平均です。トップ選手の年間獲得賞金は1億円を超えますが、養成所卒業直後の新人選手の年収はおよそ600万円ほどとなります。
選手の収入には獲得賞金のほかに、レースに出走することで得られる出走手当や副賞なども含まれます。デビュー直後といっても、ほかの職種の同年代に比べると収入は大きく、この収入に魅力を感じて競輪選手を目指す方も少なくありません。
ほかのスポーツで結果を残した選手が競輪選手を目指すということもあります。特に多いのが「スピードスケート」、「ショートトラック」の選手。スケート選手の多くは社会人選手であり、収入はサラリーマンレベル。世界のトップで戦えるようになればスポンサー収入も期待できますが、ほとんどの選手は収入に恵まれているわけではありません。こうした経緯から、スケートで鍛えた脚力を競輪で活かそうとする選手が多いわけです。
1998年長野オリンピックにおいて、ショートトラック男子500mで金メダルを獲得した西谷岳文選手は、スケート選手引退後に競輪選手養成所に入所。2022年2月現在A級1班に所属する現役選手として活躍しています。
現役で活躍する人気選手を紹介
ここまで競輪選手の基本的な情報をまとめてきました。では、実際に2022年2月現在、競輪選手として活躍している選手の中から、初心者の皆さんにもおすすめしたい人気選手を4人厳選してご紹介しましょう。
2021年KEIRINグランプリ覇者【古性優作】
※画像出典:KEIRIN.JP
名前 | 古性優作(こしょう・ゆうさく) |
年齢 | 30歳 |
登録都道府県 | 大阪府(近畿地区) |
所属級班 | S級S班 |
期別 | 100期 |
2021年8月に行われたオールスター競輪でGⅠレース初優勝。さらに年末に行われた最大のレース「KEIRINグランプリ」でも初優勝を果たした、2022年現在現役最強選手です。
行く選手がいなければ自力でも仕掛けられますし、番手から強烈に追い込むこともできるオールラウンドプレイヤーです。
異次元の逃げ脚【脇本雄太】
※画像出典:KEIRIN.JP
名前 | 脇本雄太(わきもと・ゆうた) |
年齢 | 32歳 |
登録都道府県 | 福井県(近畿地区) |
所属級班 | S級1班 |
期別 | 94期 |
競輪選手としてだけではなく、自転車競技「ケイリン」の選手としても活躍する脇本選手。日本代表として、リオ五輪、東京五輪にも出場しました。
脇本選手の特徴はなんといっても絶妙な「逃げ」。ライバルたちに捲らせないようなスピードで逃げ続け、そのまま先頭でゴール板を駆け抜ける圧倒的なスピードとロングスパートを持っており、GⅠレース5勝のうち2勝は完全優勝で決めるなど、異次元のスピードを持つ選手です。
4大競走完全制覇の怪物少女【小林優香】
※画像出典:KEIRIN.JP
名前 | 小林優香(こばやし・ゆうか) |
年齢 | 28歳 |
登録都道府県 | 福岡県(九州地区) |
所属級班 | L級1班 |
期別 | 106期 |
男子競輪選手の「異次元」が脇本選手なら、ガールズケイリンが誇る「怪物」が小林選手です。ガールズケイリンのビッグレース「グランプリ」・「コレクション」・「フェスティバル」・「グランプリトライアル」の全レースを制覇しているのは、歴代でもこの小林選手ただ一人。また年3度開催の「コレクション」を全勝している選手は3人いますが、小林選手もその1人です。
ガールズケイリンデビュー以来の通算勝率は驚異の86.1%(2022年2月12日現在)。まさに怪物の異名がふさわしい成績です。
脇本選手同様自転車競技にも力を入れており、東京五輪にも出場。2024年のパリ五輪を目指すことも明言していますが、東京五輪後はしばらくガールズケイリンに集中するともコメントしており、活躍が期待されます。
競輪界のリアル二刀流【原大智】
※画像出典:KEIRIN.JP
名前 | 原大智(はら・だいち) |
年齢 | 28歳 |
登録都道府県 | 宮城県(東日本地区) |
所属級班 | A級2班 |
期別 | 117期 |
上でほかの競技から競輪選手になる選手も少なくないと書きましたが、そんな中でも異色の存在なのが原選手。原選手はスキー・モーグル競技の選手として、2018年の平昌五輪で銅メダルを獲得した選手です。
平昌五輪後、モーグル選手として引退はせず、現役を続けながら競輪選手を目指すという異例のプランを発表。その言葉通り競輪選手養成所に入所し、その後見事に競輪選手資格試験もパスして競輪選手としてデビューします。
2020年には競輪選手として初優勝を果たし、さらに2022年にはモーグルの日本代表として北京五輪にも出場。二刀流選手として大きな注目を集めました。
北京五輪でモーグル選手としては引退すると発表。今後は競輪選手として集中するとのことで、今後の活躍が楽しみな選手の1人です。
お気に入りの選手を見つけよう
競輪界の人気選手を一部紹介しましたが、何しろ男女合わせて2,000人以上の選手がいます。特徴のある選手、注目すべき選手は紹介してもしきれません。
おすすめはやはり自分だけの応援したい選手を見つけることです。どんな選手がいるのか?何に注目すべきかなどを紹介していきましょう。
大ベテランは60代
競輪選手は基本的に個人事業主ですので、自ら引退を宣言しない限り、競輪選手でいることができます。ただし競輪界には「代謝制度」と呼ばれる制度があり、A級3班に所属する選手の中で、一定期間の成績が低迷する選手に対し、年間30名を上下位に選手登録を除名することができます。
つまり除名を受けなければ何歳でも競輪選手でいられるということ。1996年にレースに出走したのは68歳の湯浅昭一選手。これが歴代出走の最高齢記録。2019年には64歳の三ツ井勉選手が最高齢勝利記録を打ち立てています。
高齢選手でも活躍できる理由として、競輪では前方の選手を風よけに利用し、短い時間のスパートでも勝負になることが挙げられるでしょう。2022年2月現在も60代の選手が2名選手として登録されています。
A級3班から将来のスターを青田買い
男子競輪のクラス分けは、S級S班を筆頭に、一番下のクラスA班3級までが存在しています。A級3班は、競輪選手養成所を卒業してすぐの選手など、フレッシュな選手が中心のクラス。このクラスのレースに注目し、将来のスター候補を見つけ出すのも競輪観戦の醍醐味といえるでしょう。
美人&イケメン選手を探す楽しみも
※画像出典:KEIRIN.JP
推し選手を探すのは何も年齢や成績だけではありません。単純に見た目が好みという理由で応援するのもおすすめです。
だれがイケメンで、誰が美人かにはこの記事では触れませんが、2,000人以上いる選手の中には、もちろんイケメン選手も美人選手も多く存在しています。
また、競輪は一瞬でスピードを上げる必要があるため、筋骨隆々の選手ばかり。女性選手も締まったスタイルの選手ばかりですので、ぜひどんな選手が活躍しているのかを確認しながら、お気に入りの選手を見つけましょう。
まとめ
競輪の選手は全部で2,000人以上。レースへの出走は、JKAからの出走斡旋で決まりますので、自分のホームばかりではなく、日本全国を飛びまわることになります。
そのため競輪場に行くと全国から選手が集まっており、毎回多くの選手に出会えることに。その中で応援したいと思える選手を見つけることは、競輪をより楽しむためにもおすすめの観戦方法です。
見た目で選ぶか、エピソードで選ぶか、単純に強さ・速さで選ぶかは自由。自分が応援したくなる選手を見つけて、できればライブで応援してみましょう。